平成30年度女性消防団員技術研修会
(公財)兵庫県消防協会

 平成31年2月10日(日)、兵庫県消防学校において、女性消防団員技術研修会を開催しました。

 寒さ厳しい一日でしたが、県内から71名の女性消防団員の皆さんが参加し、熱心に受講されました。

 

 この度の研修会では、アウトドア流防災ガイドのあんどうりす先生をお招きし、講演と実技をご指導いただきました。 「日常の身近なもので防災を実践すること。」「楽しく防災を学ぶこと。」を女性消防団員の皆さんに学んでいただき、それぞれの地域の方々へアウトプットしていただきたいという考えから、あんどう先生へ依頼しました。

 
 

 あんどう先生は、阪神・淡路大震災の際、尼崎市で被災され、その時の被災体験とアウトドアの知識を活かし、2003年より全国で講演活動を展開しておられます。現在では当たり前となっている、「毎日のかばんを防災仕様に」というアイデアを当時から提案しておられ、 とりわけ子育てグッズと防災グッズをイコールにしてしまう、アウトドア流の実践的な内容が好評で、年間100回以上の講演を全国各地で行っておられ、講演活動だけではなく、テレビ、新聞、ラジオなどへも多数出演され、防災活動の普及啓発に努めておられます。

 

 午前中の講演では、日常使用しているバッグの中身を簡単に防災仕様にできること、日常生活で使用しているものが、災害時にも応用できること、オススメのアプリなども教えていただきました。また、災害時の赤ちゃんのミルクやおむつの話しなど、子育てを経験された方、子育て真っ最中の方にとっては、とても身近な内容も多く、お話を聞きながら、大きくうなずいたり、驚いたり、参加者の反応がとても大きかったのが印象的でした。さらに、先生が色々なグッズを持参してくださったので、実際に見て、触って知ることができ、参加者にとっては、より分かりやすかったようです。

 

 午後の実技では、さらしを使ったおんぶとだっこ、そして古武術を教えていただきました。さらしを使ったおんぶとだっこでは、重心を上にすること、さらしでくるむことで、実際よりも軽く持ち上げられることを実践し、知ることができました。古武術の手法については、子供や女性のような小さな力でも、大人を起き上がらせたり持ち上げたりできるということを、実際に体験しながら学びました。

 あんどう先生の進行は明るくパワフルで、終始笑いの絶えない楽しい雰囲気の研修会でした。防災を難しく考えるのではなく、楽しみながら防災に取り組むことができることを教えていただきました。また、生活の身近なものの「しくみ」を知ることで「応用」できることを教えてくださいました。参加した女性消防団員の皆さんは、「元々あった固定観念を捨て、今後は応用出来るものは無いか意識して生活したい。」「わざわざの防災グッズではなく、普段使いの防災グッズを実践していきたい。」という感想が多く寄せられました。

 
 

 日常生活ですぐに実践できることを教えていただけたので、参加者から「持ち帰って地域の方々に伝えたい」という感想をいただくことができました。

 この度の研修会をとおし、女性消防団員の皆さんが、「簡単」に日常生活に防災を取り入れられることを学び、地域の方々へ広めてくださることで、ひとりひとりが防災について当たり前に取り組み、有事の際には自らの意志、判断で正しく行動することに繋がっていきます。

 今後も、県消防協会では、「聞いて、見て、体験して」学べる研修会を企画していきたいと思います。積極的なご参加をお待ちしています。
 また、2019年8月下旬に、兵庫県女性消防団員活性化大会を企画しています。日頃の皆さまの活動について、発表してくださる消防団を募集しています。ご協力よろしくお願いします。

 

 

この度の研修会の参加消防団は以下のとおり。
・神戸市東灘消防団
・神戸市灘消防団
・神戸市中央消防団
・神戸市兵庫消防団
・神戸市北消防団
・神戸市長田消防団
・神戸市垂水消防団
・尼崎市消防団
・明石市消防団
・洲本市消防団
・伊丹市消防団
・豊岡市豊岡消防団
・豊岡市出石消防団
・加古川市消防団
・赤穂市消防団
・宝塚市消防団
・三木市消防団
・川西市消防団
・小野市消防団
・三田市消防団
・篠山市消防団
・丹波市消防団
・南あわじ市消防団
・猪名川町消防団
・播磨町消防団
※以上女性消防団員71名、他市町消防団事務局等22名